大震災を乗り越え、那須で夢の生活を実現
雄大な那須高原をキャンバスにして、思い描くリゾートライフやセカンドライフ、田舎暮らしの夢は人それぞれ違います。別荘として家族や友人と過ごす週末リゾート、晴耕雨読の自給自足、無農薬野菜や有機野菜栽培、喫茶店やレストラン経営、趣味を生かした工房、アトリエオーナー。のんびり釣り三昧、秘湯巡りなど、既に那須高原で夢を描き始めた方々の那須暮らしをご紹介いたします。
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『大震災を乗り越え、那須で夢の生活を実現』
コーヒーと手作りケーキの店「私のシャングリラ」・・・片瀬 和喜子さん

彼女はすぐに家を建てたのではない。分譲地に移り住む前に、その従姉妹の紹介で犬のしつけ教室を主宰している歌手の佐良直美さんのところに、食事の世話係として4年間勤める。30人分もの食事を賄い、調理師免許まで取得した。60代後半になってからの話だ。
「何とかなるだろうとチャレンジしてきただけ」と本人は言うが、その前向きな生き方には頭が下がるばかりである。 現在は親子21匹のヨークシャーテリアの飼育を続けながら、店ではコーヒーと手作りケーキで客をもてなしている。

ケーキ作りは30年以上のキャリアがあるそうで、この日ご馳走になったブランデーケーキは、それぞれの色が出るよう白のラム酒で別々に漬け込んだ胡桃やチェリーなどを生地にちりばめ、脇に丹波栗の高級品種・銀寄(ぎんよせ)のブランデー漬けも添えてある。これで300円。自家焙煎のコーヒーも500円の安さだ。
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静けさに包まれた「芭蕉温泉ランド」分譲地の管理事務所から歩いて2分の林間に、六角形を組み合わせたユニークな建物が見える。エントランスに書かれた「私のシャングリラ」という文字は、不老長寿の理想郷・シャングリラを描いたイギリスの小説「失われた地平線」から名づけたもの。そう、ここは店主の片瀬和喜子さんにとって、長年の夢を実現した理想郷なのだ。
その明るい声の裏には、辛酸な過去が隠されていた。関西出身の片瀬さんは音大を経て日本一の広告会社・電通に入り、順風満帆な人生を歩むはずだったが、結婚生活で挫折。それでも40年前から手がけたヨークシャーテリアの飼育に活路を見出し、20年前から独り暮らしを続けてきた。ところが10年前、阪神大震災で自宅が全壊。15匹の犬を仮設住宅で飼うこともできないため、壊れかけた4畳半1間に5カ月間も住み続ける。
「ケーキはだいぶん完成に近づいてきました。私は1つのことに打ち込むととことん凝る性格なんです。 だから全然もとがとれないの」と微笑む。 美味しいケーキを食べたい方はもちろん、ちょっと元気を分けてもらいたいという方も、一度お店を訪ねてみてはいかがでしょう。






