菜園は都会の屋上から那須の地べたへ

雄大な那須高原をキャンバスにして、思い描くリゾートライフやセカンドライフ、田舎暮らしの夢は人それぞれ違います。別荘として家族や友人と過ごす週末リゾート、晴耕雨読の自給自足、無農薬野菜や有機野菜栽培、喫茶店やレストラン経営、趣味を生かした工房、アトリエオーナー。のんびり釣り三昧、秘湯巡りなど、既に那須高原で夢を描き始めた方々の那須暮らしをご紹介いたします。
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『菜園は都会の屋上から那須の地べたへ』

林久雄さん、芳子さんご夫妻

雑木林に包まれた「芭蕉温泉ランド」分譲地に、佐藤さんご夫妻が東京から移住してきたのは半年前。一冬を越えた敷地はいま、色とりどりの植物であふれている。収穫はもう少し先だが、オクラやナス、イチゴなどが育ち、手作りの野菜や果樹を楽しめる日も近い。

「実は東京でも、10年くらい前からマンションの屋上で野菜を作っていたんですよ。キュウリやトマトなんかをポット栽培していました。でも、やっぱり地べたがほしい。50代半ばくらいでそういう生活ができたらいいなと思っていたんですが、たまたま東京の所有地をコンビニに借りてもらう話があって、40代後半で田舎暮らしの生活費が確保できたというわけです。妻も土いじりが好きなので、いっしょに楽しんでいるんですよ」と夫の仁一(よしかず)さん。
菜園は6畳くらいで広くないが、トマト、ナス、ブルーベリー、トウモロコシ、スイカ、桃、サクランボ、ハーブ系ではバジルやローズマリーなど種類が多い。とくにトマトは普通のミニトマト、珍しい黒トマトなどがあり、妻の知子さんによると「ホームセンターで売っていた6種類の苗をすべて植えた」のだとか。地べたの菜園を手にした喜びが伝わってきて、実に微笑ましい。

土地探しを始めたのは昨春から。夏に海で遊んだ伊豆も候補地で、熱海から下田まで探したが、思うような物件が見つからない。那須は仁一さんの亡き父が土地を所有しており、幼少の頃から年に2回ほどプールやスキーを楽しむために足を運んでいた。相続した土地に家を建てることも考えたが、

「湯本の方なので冬は寒さが厳しい、と担当者の方がいうんですね。それにシーズン中は渋滞もあるし、妻もこれから車の免許を取るので、もう少し静かな方がいいと思って。この売家は那須の別荘地帯から離れているし、吹き抜けがあって窓が広く、パッと見て気に入ったんですよ。最初は賃貸も考えたんですが、思い切って買える範囲で決断したんです」という。

室内に飾ってある版画や書は芸術家だった父の遺品で、家族の思いが込められている。この半年間で新たな生活の準備は整った。近くの「道の駅」で新鮮な野菜を買い、日常の食生活に採り入れている。また、朝の散歩を日課にしているため、ヨークシャーテリアのムーちゃんも贅肉が取れて健康になった。

「この生活に満足しています。温かくなってきたので、そろそろ建物の前にサンデッキを自分で作りたい。いままでは安い店を探したりするのに時間を使いましたが、温泉巡りもしようかなと。ただ、わが家は温泉を引いていないけど、水がアルカリ性で湧かすとツルツルして気持ちいいんですよ。せっかく那須に来たんだから、鮎釣りもやりたいですね」と仁一さん。

 陽が沈むと毎日、ワインを片手に知子さんの手料理を味わっているという佐藤さんご夫妻。まさに、おしゃれな那須ライフである。