那須の大地でマイホームをセルフビルド中!

雄大な那須高原をキャンバスにして、思い描くリゾートライフやセカンドライフ、田舎暮らしの夢は人それぞれ違います。別荘として家族や友人と過ごす週末リゾート、晴耕雨読の自給自足、無農薬野菜や有機野菜栽培、喫茶店やレストラン経営、趣味を生かした工房、アトリエオーナー。のんびり釣り三昧、秘湯巡りなど、既に那須高原で夢を描き始めた方々の那須暮らしをご紹介いたします。
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『那須の大地でマイホームをセルフビルド中!』

茂木 貴司さん、千寿さんご夫妻

平坦な雑木林が続く「那須・青木」分譲地内に、青いブルーシートで覆われたオブジェが見える。高い足場をまわりに組んでおり、本格的な建造物を予想させる。シートの中に入ると、30代の茂木(もぎ)貴司さん、千寿(ちひろ)さんご夫妻が材木と格闘していた。そう、2人はここでマイホームをセルフビルドしているのだ。
工法は素人でも扱いやすいツーバイフォーで、まずは構造体としての壁を組んでいく。3月末からスタートして、1階部分の約22坪がほぼできあがった。最終的には2階+ロフトで、50坪くらいのスペースになる。ここまで大きなセルフビルドの例は、さほど多くない。

「東京では8坪の家に住んでいました。それが那須では土間の広さ。リビングも23畳なので、これだけ広いとやっぱり嬉しいですね。この工法は2×4インチの部材で面を造っていくんですが、2階建ては部材を重ねて強度を増す必要があります。場所によってはそれが5枚とか7枚になるんですよ。作業は楽しいけれど、正直いって大変ですね」と貴司さん。

ご夫妻がセルフビルドを本気で考えるようになったのは2年前。それ以前にも興味を持っていたが、本やインターネットで知識を得て現実味を帯びてきたのだ。素人同士でセルフビルドを研究するグループもあるのだが、お二人は本とネットの知識だけで挑戦することにした。
しかし、その前に土地を確保しなければならない。北海道から沖縄まで物件を探したが、叔父さんが那須に別荘を持っていたことから200坪の分譲地を購入。大らかな那須の風土が気に入ったという。その土地で建築中かと思いきや、「傾斜地で使いづらかったので、この場所にしました。岐阜に住む私の母のために買っておいた土地なんです」と千寿さんは補足する。

土地は確保した。あとはじっくり計画を立てるはずだったが、貴司さんにとって仕事のケリを付ける好機がやってきた。そのときは悩んだが、思い切って那須生活を優先することにした。それからが大変。荷物も収納できる一戸建ての貸家を探し、昨夏に東京から引っ越し。最初は建物の設計を自分で試みたが、コストダウンを先に発想するので、ありふれたデザインになってしまう。行政への建築物確認申請も必要ということでプロに頼んだのだが、「海外旅行中にたまたま那須の建築関連会社に勤めている女性と知り合い、その人に建築士を紹介してもらった」というから、那須とは縁が深かったようだ。
 貴司さんに電気工事士の資格があるとはいえ、建築に関してはまったく素人の2人。力になってくれたのは地元の人たちだった。建築士がいろんな相談に乗ってくれ、材木屋も電話1本で部材を搬送。たまたま知り合ったクレーンの運転手は、壁を起こす作業を引き受けてくれた。見知らぬ土地に来た2人にとって、その助けが大きな支えになったようだ。
  「母屋以外に6畳の離れもほしいし、カーポートも造る予定。土地の有効利用を考えて平屋にしなかったんですが、問題は雨仕舞い。在来工法みたいにすぐ屋根ができないから、作業がやりにくいんですよ。でも、雪が積もると材木が持たないので、11月までには屋根を載せたい。そして来年の今頃までには、母屋を完成させたいですね」と貴司さんは語る。

ヨーロッパでは人生最大の楽しみともいわれる家のセルフビルド。ご夫妻の大きな夢が、那須で実現しようとしている。

※セルフビルドの様子は下の茂木さんのHP「kuzu*kuzu」でも詳しく紹介しています。
http://kuzu-kuzu.com/