週末は那須で思いっきり果樹栽培!

雄大な那須高原をキャンバスにして、思い描くリゾートライフやセカンドライフ、田舎暮らしの夢は人それぞれ違います。別荘として家族や友人と過ごす週末リゾート、晴耕雨読の自給自足、無農薬野菜や有機野菜栽培、喫茶店やレストラン経営、趣味を生かした工房、アトリエオーナー。のんびり釣り三昧、秘湯巡りなど、既に那須高原で夢を描き始めた方々の那須暮らしをご紹介いたします。
» お客様の声一覧

『週末は那須で思いっきり果樹栽培!』

Sさんご夫妻

春から秋は月に2~3回、冬も月に1回は埼玉県越谷市から「那須ヶ丘」分譲地へ通っているSさんご夫妻。315坪の広々とした敷地の入り口には「悠遊の里」という文字が。ここで悠々自適に遊ぼうという思いが込められているようだ。そのまわりは菜園や花畑になっており、空きスペースはまったくない。日影でも育ちやすいサトイモやショウガなどが植えられている。庭木が多く、敷地は緑でいっぱい。生け垣の赤いベニカナメも、1m以上に成長している。すべて挿し木で増やしたというから驚きだ。庭にはお孫さんが遊べるブランコ、野鳥の餌箱も見える。しかし、この敷地でいちばん特徴的なのは果樹だろう。キウイ、ナシ、モモ、スモモ、プルーン、イチジク、ブルーベリーなど、ありとあらゆる果樹が栽培されている。ミカン以外は収穫できるそうだ。この日は蚊取り線香を腰にぶら下げながら、草取りで汗を流していた。

 「まわりの人は観光を楽しんだり、よそへ遊びにいくけど、うちはいつも働いている。だから、労働大臣と呼ばれています(笑)。2人とも朝昼晩に食べるほど果物が好きで、それを自分で作るのが楽しいんですよ」とご主人が話せば、「実は越谷でも農家から30坪の畑を借りて野菜や果物を作っているのですが、収穫の時期がずれるんです。こちらで早めに種を蒔いても、収穫はあとになる。だから買わなくて済むんですよ」と奥さんが補足する。

ご夫妻が田舎暮らしを考え始めたのは10年ほど前のこと。越谷で買ったマイホームは土地が狭く、本格的に土いじりを楽しむ場所がほしかったのだ。『ほしいリゾート』などの専門誌を買い漁り、地域の情報も集めた。3年前に那須で広い土地が見つかり、購入を決意。盛土して地盤が固まるまで時間が必要だったが、すぐ庭仕事がしたい2人は家の完成を待てなかった。越谷から肥料を運んだり、庭木の植栽を開始。ホームセンターに頼んでミニログを建ててもらい、そこを仮住まいにした。40坪弱の母屋はハウスメーカーに依頼したが、デッキや小屋は自分で建てたもの。週末利用でここまでやる人も珍しい。まさに労働大臣である。

 「お客さんがきたら、デッキで食事をします。でも、ビールの中に虫が入っちゃうから、コンセントを延ばして虫除けの電球を付けました。風呂はテレビが観られるジャグジー。そこに温泉を引いているんですが、お湯がツルツルしていて気持ちいいですね。この建物は娘もたまに利用するんだけど、先日はバレーボールの仲間7家族28人が寝泊まりした。家族にとっても田舎ができたという感じですね」とご主人。

近くの川では鮎釣りも楽しんでおり、釣果は多いときで天然物を5~6匹。それでも早朝の2時間ほどで川を離れ、すぐ家に戻ってくる。草取りを怠けていられないからだ。

 奥さんは農家の生まれで、子供の頃に手伝わされた経験が役に立っているという。那須でも近くの農家と親しくなり、「お米を買ったり、ナスやクリをいただいたり、漬け物の作り方を教わったり、親切にしていただいています。そういう関係があるのもいいですね」と話す。

  6~7月、近くの用水路で大きな懐中電灯を点滅すると、ホタルの群れが飛び交うのだとか。地元の人も知らなかったそうで、まわりから多くの人が観察にくる。そこではいま友釣り用の鮎を飼っており、こちらの趣味も本格的になってきた。定年まであと2年。リタイアしたら、ますます那須生活の比重が高くなりそうだ。