セルフビルド中の住まいの中心に薪ストーブが!

雄大な那須高原をキャンバスにして、思い描くリゾートライフやセカンドライフ、田舎暮らしの夢は人それぞれ違います。別荘として家族や友人と過ごす週末リゾート、晴耕雨読の自給自足、無農薬野菜や有機野菜栽培、喫茶店やレストラン経営、趣味を生かした工房、アトリエオーナー。のんびり釣り三昧、秘湯巡りなど、既に那須高原で夢を描き始めた方々の那須暮らしをご紹介いたします。
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『セルフビルド中の住まいの中心に薪ストーブが!』

茂木貴司さん、千寿さんご夫妻

茂木貴司さん、千寿(ちひろ)さんご夫妻が、「那須・青木」分譲地内でツーバイフォー工法による家のセルフビルドを始めたのが2005年3月。その半年後と 1年半、少しずつ変貌する住まいの様子を取材させてもらった。今回はさらに半年後の第3弾。1階のリビングに入ると、以前になかったものがある。家の中心部分に、ドーンと大きな薪ストーブが設置されていたのだ。デンマークの一流メーカー・モルソーの製品で、本体から3階まで8mもの二重煙突が延びている。炉台にレンガではなく、地元産の芦野石を使用しているところもユニークだ。

 「見た目はコンクリートっぽいけど、天然石なんですね。3万円くらいで手に入るので、注文で加工してもらいました。ストーブはまだユーロが上がる前で安かったから、2年前に買ったんです。別に薪ストーブにこだわったわけではないんですが、妻が昔からほしいと話していたんですね。電気の蓄熱暖房も考えたけど、600kgの装置が3つも必要なんです。格好悪いし、経済的なメリットもない。薪ストーブなら1 台で済むので、炎を見つめながら暮らすのも悪くないと思ったんですよ」と貴司さん。

 隣で千寿さんが「去年の今頃は家にすきま風が入ってきたから、すごく寒かった。もう高気密・高断熱になったので、嘘みたいに暖かいですね」と微笑む。

 屋外にはストックした薪がズラリと並んでいる。15mくらいありそうだが、これで2年分だとか。1日の使用量はオイル缶に入れた薪で2~2.5杯分。購入すれば1000円くらいだが、そこは節約しなければならない。雑木を伐採するという情報を得て知人の知人からいただいたもの、果樹園の植え替えで不要になった梨の木などを集めた。ストーブの大きさに合わせて長さ40cmに玉切りするというから、かなり細かな作業だ。

内装の進み具合だが、ご本人の言葉によれば「7割方の完成」だとか。3階から順に見ていこう。ここまで煙突が延びており、フローリングも完成。棚に本が並んでいるので、書斎のような空間だろう。2階はまだ壁の下地がむき出しの状態だが、寝室や作業場が確保されている。そして1階。リビングに大きなテーブルがおかれ、天井の照明も間接照明などに切り換えられるようになっている。また、吹き抜け部分には温度調整で空気を上げ下げできるシーリングファンも設置。電気工事士の資格を持つ貴司さんだけに、こういう仕掛けはお手のものだ。一部の壁は漆喰を塗装済で、ザラザラの感触が残る骨材入りの壁材を使用している。台所は仮設の流しがあるだけで、これからすべて手作りする予定。作業場を確保しなければならないため、床はまだ未完成のところが多い。

 今回の取材では、セルフビルドの強力な秘密兵器を2つ発見。1 つは木材を1mm単位でカットできるテーブルソーという道具で、国産メーカー品を逆輸入したもの。角度も正確に付けられるため、細かな作業がやりやすい。もう1つのスライドソーは、文字どおりスライドさせながらカットする機械。赤外線でガイドラインが引かれるのだが、こちらは天井材の加工などに威力を発揮するようだ。

かなり住まいの輪郭がはっきりしてきた。お二人に完成の予定を聞いたら、「来年中に」と答えたあと「去年もそういってましたけどね」と笑ってつけ加えた。予定はあくまで未定。セルフビルドの世界はそれでいいのだ。さらに室内の様子がどう変るのか、また訪問するのが楽しみになってきた。

※セルフビルドの様子は下の茂木さんのHP「kuzu*kuzu」でも詳しく紹介しています。